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在庫が合わない…卸売業における在庫管理の悩みとDXによる解決策

2025.12.01 代表ブログ

卸売業を営む企業にとって、在庫管理は利益を左右する重要な業務のひとつです。しかし、「棚卸のたびに在庫数が合わない」「帳簿上は在庫があるのに実際はない」「どこに何がどれだけあるのかわからない」といった悩みを抱える企業は少なくありません。

こうした在庫管理の不一致は、ヒューマンエラーや属人化、システムの未整備が主な原因です。これらの課題を解決するために注目されているのが、ITを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)です。本記事では、卸売業でよくある在庫管理の課題を整理し、DXによってどのように解決できるのかをご紹介します。

よくある在庫管理の悩み

1. 棚卸で毎回在庫が合わない

「棚卸をすると、帳簿と実在庫の数が合わない」これは非常によくある悩みです。原因としては、商品の出荷・入荷時に記録漏れや誤入力がある場合、在庫移動が記録されていない、同じ商品コードで複数のロケーションに在庫が分散している、パート・アルバイトによる作業にバラつきがあるなどがあります。結果として、「本来あるべき商品が足りない」「想定以上に余ってしまう」といった機会損失や在庫コストの増加につながります。

2. 現場とシステムのズレ

紙の伝票やExcelを使った在庫管理では、リアルタイム性に欠け、現場の在庫状況が反映されにくいという問題があります。たとえば、午前中に入荷した在庫が、午後の出荷指示に反映されていないことや、ピッキングのミスにより実在庫と帳簿在庫に差異が生じる、倉庫ごとの在庫がバラバラに管理されており、全体像がつかめない、こうしたズレは、販売機会の損失や誤出荷、顧客からのクレームにつながります。

3. 属人化・経験頼りの運用

在庫の配置や補充、棚卸の手順などが特定の担当者の経験や勘に頼っているケースも多く見られます。「あの商品はだいたいこの辺にある」「いつもこの数量を入れておけば大丈夫」。このような属人的な運用は、担当者が不在になった途端にミスや遅延を引き起こします。組織的な業務継続性の観点からも、改善が必要です。

DX(デジタルトランスフォーメーション)でできること

こうした在庫管理の悩みは、ITツールを活用したDXによって大きく改善することが可能です。具体的には、次のようなアプローチがあります。

1. 在庫管理システムの導入でリアルタイム管理

クラウド型の在庫管理システムを導入することで、商品の入出庫情報がリアルタイムに記録され、帳簿と実在庫の差異が生じにくくなります。

主なメリット
・スマホ・タブレットで入出庫をその場で登録可能
・複数倉庫や拠点間の在庫も一元管理
・現場の作業と管理がシームレスに連動
・「いつ・どこで・誰が」操作したかの履歴が残る

これにより、棚卸時の在庫差異を最小限に抑えることができます。

2. バーコード/QRコードによる読み取り

バーコードやQRコードを活用すれば、手入力によるミスや入力漏れを防ぐことが可能です。

・商品ごとにコードを発行し、入出庫時にスキャン
・棚卸時もスキャンするだけで数量カウントが自動記録
作業時間の短縮と精度向上を同時に実現

最近ではスマートフォンでも読み取り可能なシステムが普及しており、初期投資を抑えて導入できるケースも増えています。

3. 管理画面で経営指標の「見える化」

在庫情報をリアルタイムに可視化することで、経営層もスピーディーな意思決定が可能になります。

・売れ筋商品の在庫切れを防ぐアラート機能
・回転率の低い商品を可視化し、在庫の圧縮
・月別、担当者別の在庫推移レポートで業務改善につなげる

在庫は「お金と同じ」です。どこに、どれだけの資産が滞留しているのかを可視化することが、卸売業の収益改善に直結します。

中小企業でも始められるDXの第一歩

「DX」と聞くと、大きな投資が必要な印象を受けるかもしれませんが、中小規模の卸売業でもスモールスタートが可能です。

・まずは「棚卸だけ」バーコード化する
・月額数千円のクラウド在庫管理ツールから始める
・一部商品だけ対象にしてテスト導入する

こうした取り組みでも、業務の精度とスピードは大きく改善されます。将来的には販売管理や受発注、請求書の発行なども連携していけば、全社的な業務効率化につながります。

まとめ:在庫管理の精度向上が、卸売業のDXの第一歩

在庫管理は、「人がやるからミスが出る」「仕方がない」と諦めがちな業務かもしれません。ですが、今はテクノロジーの力で“ヒューマンエラーを起こさない仕組み”を作ることが可能です。卸売業は、流通の中核を担う重要な存在です。だからこそ、「在庫が合わない」という問題を根本から解決することで、ビジネスの安定性と信頼性を高めることができます。

当社では、中小企業の卸売業に特化したITツールの導入支援を行っています。業種特有の運用に合わせて、クラウドシステムやバーコード運用の設計、運用定着まで丁寧にサポートします。

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WRITER

吉田 寛

株式会社アリスタイルの代表。得意分野は、お客様のビジネス理解力と、それをベースとした企画開発力です。主にBtoBビジネスのお客様のマーケティングとマネジメント分野の成長・改善をITでお手伝いします。

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