
CHANNEL
WordPressセキュリティ対策 – 安心して運用するための基本と実践【保存版】
2025.06.01 代表ブログ

以前に書いた以下の記事が思いのほか反響があり、お問い合わせをいただくため、今回はWordPressのセキュリティに関する内容に絞って記事を書きます。ご興味のある方は以下の記事もお読みいただければと思います。
WordPressのエンタープライズ版?中規模サイトの構築で心がけている3つのセキュリティ対策
WordPressのセキュリティ対策は必要なのか?
WordPressは、世界中で最も利用されているCMS(コンテンツマネジメントシステム)です。そのシェアは全世界のWebサイトの約40%以上(出典元: https://w3techs.com/technologies/details/cm-wordpress )にのぼり、個人ブログから大手企業サイトまで幅広く採用されています。その人気の裏返しとして、悪意ある攻撃者にとっては「最も狙う価値のあるターゲット」にもなっています。例えるならば、WindowsがMacよりもウイルスの標的にされやすいのと同様に、WordPressも「広く使われているがゆえに」脆弱性が見つかれば大量のサイトが一気に危険に晒されます。
しかし決してWordPess自体にセキュリティの懸念があるわけではありませんのでご安心ください。WordPressは、オープンソースのため世界中の優秀な技術者によるアップデートが日々行われています。そのため、適切なセキュリティ対策を講じることで、安全にWordPressを運用することは十分可能です。本記事では、初心者でも実践できる「WordPressセキュリティ対策の基本」と「最新の注意点」をわかりやすく解説します。
管理画面へのアクセス制限でリスクを激減させる
WordPressのセキュリティでまず取り組むべきなのが、管理画面(wp-login.phpやwp-admin)へのアクセス制限です。攻撃者はこのURLに対してブルートフォースアタックと呼ばれる「総当たりログイン攻撃」を仕掛けてくるケースが多く、パスワードが破られてしまえば即座にサイトは乗っ取られます。
主なアクセス制限方法
1. .htaccessでIP制限(特定のIPアドレスからのみアクセス可能にする)
2. Basic認証の設定(管理画面へのログイン前に認証を一段階追加)
3. ログインURLの変更(「wp-login.php」を別の名称に変更できるプラグインを利用)
これらの対策は比較的簡単に導入でき、攻撃の大半を水際でブロックすることができます。
WordPressとプラグインのアップデートを怠らない
次に重要なのが「常に最新の状態に保つこと」です。WordPress本体やプラグイン、テーマは脆弱性が発見されるたびに、それに対するセキュリティパッチが提供されています。しかしアップデートを放置していると、古いバージョンのままでは既知の脆弱性を突かれてしまいます。
アップデートのポイント
1. WordPress本体は自動更新を有効にする
2. プラグインやテーマも定期的に手動でチェック
3. 不要なプラグインは削除する(放置されたプラグインは特に危険)
アップデートは単なる機能追加ではなく、「防御力の強化」でもあります。少しの手間で大きなリスクを減らせる対策です。
セキュリティ脆弱性対応はプロの視点も必要
万が一、WordPressサイトが改ざんされたりマルウェアに感染した場合、その原因の多くはセキュリティ脆弱性(セキュリティホール)が放置されていたことにあります。例えば、プラグインの脆弱性が放置され、管理者権限を奪われたり、フォームからファイルをアップロードされ、スクリプトが実行されたり、管理者IDが「admin」のままで総当たり攻撃により侵入されたりするケースがあります。当社でもサイトを改ざんされたお客様からお問い合わせをいただき復旧のお手伝いをさせていただいたことがあります。これらは正しい対応ができていれば、どれも「起こる前に防げたケース」です。
具体的な対応策としては、セキュリティスキャナーで定期診断(「SiteGuard WP Plugin」や「Wordfence」など)を行うこと、ログ監視ツールを導入すること、Webアプリケーションファイアウォール(WAF)を設置することなどが考えられます。さらに、トラブル(インシデント)が発生した際には即時復旧対応が可能な保守体制を整えておくことも重要です。当社のような専門業者による保守契約を結んでおくと安心です。
WordPressセキュリティ対策は“継続”がカギ
WordPressのセキュリティ対策は「一度やって終わり」ではなく、継続的に意識する必要がある運用課題です。今日から始められるチェックリストを以下に記載します。自社のサイトの運営状況に照らし合わせてチェックいただけると幸いです。
□ ログインURLを変更した
□ .htaccessで管理画面のIP制限をかけた
□ 管理者アカウント名を「admin」から変更した
□ すべてのプラグインを最新に更新した
□ 使用していないプラグイン・テーマを削除した
□ セキュリティプラグインを導入した
□ バックアップを定期的に取っている
これらの対策を行うことで、外部からのリスクに強いWebサイトが構築できます。
まとめ:セキュリティ対策でWordPressをもっと安心に
WordPressは非常に高機能で柔軟なCMSですが、その反面「狙われやすさ」というリスクも抱えています。しかし、正しいセキュリティ対策を実施すれば、そのリスクは大きく軽減されます。特に、以下の3点は優先度が高い重要項目です。
・管理画面へのアクセス制限
・WordPress・プラグインの常時アップデート
・脆弱性への迅速な対応と保守体制の整備
大切なWebサイトを守るために、ぜひ今日からできる対策を始めてください。
セキュアな環境を維持してこそ、安心して情報発信・集客を続けることができます。
WRITER
吉田 寛
株式会社アリスタイルの代表。得意分野は、お客様のビジネス理解力と、それをベースとした企画開発力です。主にBtoBビジネスのお客様のマーケティングとマネジメント分野の成長・改善をITでお手伝いします。